杉並区久我山にある「陽だまりハウス」(2000年竣工作品)へ現在建物計画中のお客様をご案内しました!見学会などではわからない完成後の様子、11年目を迎えている「陽だまりハウス」のいまをご紹介!!
キーワードは、光と風と、雨と緑 スキップフロアも一部利用している
この家を取り上げたウェブマガジン(お施主様がまとめられた)がありまして、こちらの内容を引用させて頂き、お施主様目線でリポートしてみます!
Webマガジンおひさまスタイル
「エコハウス訪問」
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■太陽熱を利用したOMソーラーの家
冬の晴れた日の様子。陽だまりの家
右側の白くて丸い筒のようなものがOMソーラーダクト 太陽熱で暖められた空気を地下へ運ぶダクト 仕上げをしてインテリアに組み込んだ
キッチンの様子
■トイレや浴室以外ほとんどドアがないオープンな構造
この家の基本計画が太陽熱を利用した「OMソーラー」であることを書きましたが、我が家の特徴はもうひとつ、トイレや浴室以外ほとんどドアがないオープンな構造だということです。これは、地下の吹き出し口から出る温かい空気を家全体に昇らせていくためにも合理的なことですし、導線をシンプルにするという建築家の設計によるものです。(Webマガジンおひさまスタイルより)
■仕上げについて
また、リビングをはじめ、家の中の壁材はほぼ珪藻土*3を使いました。吹き付けのため、ボロボロと壁材が落ちて掃除が大変ですが(今はほぼそういうものはないようです)、その調湿機能や脱臭機能は非常に満足できるものです。以前の家ではビニールクロスを貼っていましたが、5年で変色し、結露も起きていたのに比べると、色が少し深いアイボリーになり、逆に落ち着きがでたぐらいです。
最近では、気軽にDIYで塗れる珪藻土もあるので、私も地下室の一部やカウンターなどで試してみています。プロのようにはいきませんが、塗りむらも味に感じられます。(Webマガジンおひさまスタイルより)
1階のLDKと連続した南庭の様子
南庭の一部は半地下のドライエリアと階段状でつながっている、半地下スペースから見渡せる「だんだん畑ならぬだんだん緑!」
「庭の木はほとんど落葉樹にしたので、冬は葉を落として陽射しが入りやすく、夏は太陽を遮って木陰を作ってくれます。このような植栽もいわゆる「パッシブソーラーシステム」のひとつです。柿の木は住んでから7年目で実をつけるようになり、収穫の楽しみも加わりました。」
「そして、庭にはもうひとつ雨水が使える手押しポンプがあります。屋根に降った雨を地下のドライエリアの下の雨水タンクに集め、くみ出して、植物への水遣りなどに使っています。本当はトイレ洗浄水など中水にも雨水を使いたかったのですが、予算の関係であきらめました。雨水をくみ上げる手押しポンプ。主に植物への散水に使っている。」
■この家の設計コンセプト
限られた敷地だったので、廊下などの無駄なスペースを作らず、合理的で無駄のない動線を心がけました。そして、スキップフロアにすることで、地下も含めた各フロアで通風、採光がとれています。通風は、南北や東西だけでなく、上下の通風も考え、2階部分には天井部に窓をつけています。
また、OMソーラーシステムを導入することで地下の居住性が高まると共に、空間の連続感を可能にしています。そして、プランは家の中だけでなく、外の環境とのつながりを重視しました。例えば、南側のデッキは採光を最大限に考えた形になっています。(小宮成元)
■スキップフロアで廊下なし!
玄関が半地下の書斎スペースとLDKを結ぶスキップフロアとなっている
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スキップフロアで地下に下りると・・
半地下の和室スペース
「本当は地下を作らない方が予算的にも楽なのですが、37坪という土地の面積に対して4割しか建物を建ててはいけないという厳しい建築条件だったので、広さを確保するために必要なものでした」
半地下書斎スペース
「また、容積率も8割でしたので、容積率に入らない半地下*1を作ることや、デッキをうまくリビングにつなげて狭さを感じさせない設計を建築家の方が考えてくれました。半地下部分はワークスペースと収納、客間も兼ねる和室となっていますが、今になって思うと、この地下室を少し無理しても作っておいて、本当によかったと思っています。
というのも、この地下室の部分にOMソーラーの良さが最大限に発揮されています。普通は、地下室というと湿気と寒さ、通風など悪条件が重なるのですが、OMソーラーシステムで太陽の熱で暖められた外気が地下のコンクリートを温め、吹き出し口からも温かい空気が出てくることで、冬は大変暖かく、湿気の悩みもありません。夏の夜は放射冷却による夜の外気が取り入れられるので、適度に涼しく快適です。」
「我が家では、夏の間は客間としている和室を寝室に利用していますが、2階の寝室に比べると5度以上は確実に涼しく、ほぼ冷房なしで寝られます。温暖化やヒートアイランド現象*2で暑さが増している都市部では、寝る場所を季節によって変えられるようにしておくのも、ひとつの方法ではないかと思うほどです。和室と仕事部屋は可動式の引き戸で仕切り、和室側には月桃紙*3を貼りました。可動式にすることで、ライフスタイルの変化にも対応したり、多様性のある使い方ができるとの建築家の配慮からです。」
「そして、もうひとつ気に入っている点は、半地下なので、窓からは庭の植栽が眺められ、陽ざしも入って明るく、地下にいる圧迫感が感じられないことです。上半分は地上にあるため、通風、採光などをとる窓もつけられています。この家を建ててから、都心の事務所から引っ越して、自宅で仕事をする「SOHO」*4となったわけですが、1日中仕事をしていても、窓から緑が楽しめることで気持ちが和みます。」
「地下室にある大きな納戸は玄関ホール下のデットスペースを利用した場所ですが、季節の暖房器具やキャンプ用品から、生活消耗品の買い置きまで、我が家の大事なストックヤードとなってくれています。押入れを活用することもできますが、こんな風にストックヤードに収納を集中させることも、余分なものがはみ出さないですっきり住めるコツではと思います」
ダイニング上部を見上げると吹き抜けに面して浴室が!思い切って2階南側の一番日当たりが良い部分に浴室というプランニングです、浴室の様子や屋上緑化の様子はまた後日
「太陽熱と雨水を利用した久我山の家」概要
構造/鉄筋コンクリート造地下1階+木造2階建て
敷地面積/123.16m2(37.25坪)
延床面積/134.04m2(40.54坪)
建築費/約3300万円(外構別)
2000年5月完成
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