K大学の学生ホール改修計画イメージCGをUP!!
鉄骨平屋建ての既存建物を再生し、周囲の環境と一体になった新しい学生ホールを提案。
現在は閉鎖的な鉄骨平屋建て建物が存在しているが、まずは現地調査等により大学におけるこの学生ホールの立地条件、役割を再考。現在は、樹木はあるが設備スペースとなって有効利用されていない裏庭など周辺環境に目をつける。
1.学校全体の中でこの学生ホールの位置づけを再考。外部空間を魅力的なものへ。
外部にウッドデッキを張り、目隠しフェンスを取り付け、通り抜けできる通路として有効利用し、隣の食堂とも連続させていく・・。「ただウッドデッキを張りました、ここを歩きなさい!」では実質的な再生ではないので、周辺環境を考えて、機能的な動線等実際の使われ方をよく検討していく・・。
2.学生ホールを良い意味で壊してみる
周辺環境を見渡すと、学生全体の掲示板があったり、食堂があったり、グランドがあったり・・。学生ホール内部にもこれらの外部環境を引き込みたいと考え、一部外灯やウッドデッキを張った「ストリート」を機能的な位置に設置、外部のイメージを中にもあえて持ってくる。外観はテントを張って、カフェのような雰囲気へ。
現在は、体育館のように一様で広さを持て余していると見受けられることから、思い切ってこのストリートでばっさり分断させてみる。このストリートが、ホール内に小さな溜まり場を生み出し、均等、一様な空間が壊されていく。
当然壁も一部壊し開口部としていく・・。耐震工事もするので、そこは残す。
空間構成ダイアグラムCG。
上部がウッドデッキの外部空間。ホール内の機能的な位置にストリートやステージをつくり、均質な内部空間を壊す。外灯、ごみストッカー兼植栽、ベンチなどをホール内に配置、演出。小さな落ち着ける居場所を確保していく。
3.防音パネルによる音の境界をつくる
この大学ホールにはピアノが10台おいてあった。この学生ホールの最も大きな特徴でもある。
実際に訪ねたときも学生さんがあちらこちらでピアノの練習をしている風景があった。ただ、吸音性がないので音の混在も問題となっていた。
ピアノを練習する本格的な防音施設はこの大学にきちんとあるので、完全な防音、消音環境はこのホールにはいらない、しかし、もう少し何とかしたいということで、ピアノのまわりに設置する吸音パネルを提案。住宅における家具のようなものか・・。
この吸音パネルを配置し、音をホール内から外部へ向けてでるよう方向性を持たせる。(完全にはできないが。)グランド、外部デッキで話している学生や掲示板を見ている学生のBGMにでもなればと願う。
建物のみならず、建物の周辺環境も取り込んだ再生案。この夏休みにまずは耐震補強やサッシ交換などの1期工事がスタートする予定。順調に進むと今年は夏休みがない・・・
担当:小宮歩&伊藤雅樹
CG制作:原俊徳&伊藤雅樹
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