【ドイツ・オーストリア建築研修2010】その⑩ブルデンツの家2010/07/18

いきなり雪道をあがる一行・・・オーストリア・ブルデンツにて
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本場ヨーロッパのパッシブハウスを体感しにドイツ・オーストリアへ行った際のひとこま、今日のお目当てのパッシブハウス(工事中)が見えてきた・・

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戸建住宅(新築) in Brudenz ブルデンツ
床面積 173m2
混構造 1階外壁および2階床=RC造、1階内壁=ブロック造、2階部分=木造
2010年竣工
案内役 設計者 Andrea Vogel Sonderegger

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左が案内役 設計者 Andrea Vogel Sonderegger
工事中にも関わらずサッシュなどが取り付いているため室内は16度もある(外は0度)熱源が作動していなくてもこの断熱性、人が20人も入るとますます室内気温があがっている気がする
まず窓からアルプスの山々が見えるすばらしいロケーション

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あいにくの天気

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この景色を最大限取り込みたいと考えた設計者は1階を眺望へ向けて配置、2階は太陽(南)に向けて配置し、1,2階が角度を持ってあわさる形態をしている事が特徴!

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☆パッシブハウスとは(KEY ARCHITECTS HPより抜粋)

パッシブハウスとは、1991年にドイツのパッシブハウス研究所によって確立された省エネ住宅スタンダードです。各国の法規によって定められた省エネスタンダードよりもはるかに上を行くこのシビアな省エネスタンダードは、ドイツ、オーストリアで大きく普及し、2011年までにはEUの新築住宅のスタンダードになるとされています。近年ではEUとは気候の異なるアメリカや韓国でもパッシブハウスの建設が試みられており、近い将来に世界スタンダードになると言われている程です。パッシブハウスを名乗ることができるのは、床平米当たりの一次エネルギー消費量および冷暖房負荷、そして気密性能の条件を満たした住宅のみです。“パッシブ”という言葉は、太陽エネルギーをパッシブに利用する手法として日本でも用いられてきましたが、それは英訳するとPassive Use of the Solar Energy(太陽エネルギーのパッシブ・ユース)と呼ばれ、ドイツ発祥のPassive Houseとは異なる定義です。

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1階の暖房はレンガ造の間仕切り(内壁)の手前に塗られた厚さ2.5センチの土壁の中に回る温水パイプによってまかなわれる

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土壁には調湿機能を期待している。2階の暖房はRC床に打ち込まれた床暖房を用いる。
レンガ造壁表面に塗られた土壁。この中に温水パイプを回して壁暖房とする、この壁に背が当てられるようベンチが設置されるとか・・設備と上手く融合したアイディア家具になる予感

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地熱交換 垂直に73mのパイプを施工、不凍液を循環させている。夏も冬も地熱を利用するこ
とで、年間を通じて地中の温度が変わらないように配慮がなされている。

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クライアントの父親によるセルフビルド中
この家の建設費2100ユーロ/㎡(クライアントの父親によるセルフビルドにより、実際は1800ユー
ロ/㎡)、170平米(約50坪)なので総工費4000万、坪単価は約80万、実際は68万!
■1階床XPS断熱材(200㎜)/RCスラブ(250㎜)/ビチューメン アスファルト防水/気密
シート/シンダーコンクリート(70㎜)/フローリング(15㎜)
U値=0.16W/㎡K
■屋根屋根仕上げ陸屋根(80㎜、勾配2%)/屋根防水用ゴムアスファルトシート溶着/屋根梁(60㎜
幅、サネ加工)+セルロース断熱材(260㎜)/合板(21㎜)/気密シート/設備配管
スペース+充填断熱(60㎜)/ファーマセル社製、木繊維石膏ボード(15㎜)
U値=0.1W/㎡K
■外壁Trespa社製 Meteon セメントボード(8㎜)/通気層(36㎜)/木質繊維ボード(35
㎜)/スタッド+セルロース断熱(260㎜)/合板(15㎜)/気密シート(0.1㎜)/設備
配管スペース+充填断熱(60㎜)/ファーマセル社製、木質繊維練込石膏ボード(15
㎜)または土壁ボード
U値=0.12W/㎡K
■ガラスU値=0.5W/㎡K
■熱交換換気Drexel und Weiss 床暖房対応モデル×2台
■気密性能0.001回
■給湯300リットルの給湯タンクは単体で用意。換気装置に内蔵されたヒートポンプが給湯
を賄う。屋根には太陽熱温水パネル搭載、地熱交換を床や壁に流すことで、夏場には
パッシブクーリングの機能を果たす。ただし、脱衣場は夏場でも暖房に切り替えるこ
とが可能
■年間暖房負荷18kWh/㎡
■暖房容量ピーク14W/㎡
■一次エネルギー量78kWh/㎡

Category: 建築旅 ,

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